八十九です
崩れた漁港にあちゃぽんがいます。
そこには瓦礫に腰掛ける少女が遠くの海を見つめているようです。
ただ・・・実はこの絵に当初あちゃぽんは存在していませんでした。
元旦の地震があって、十日ほどしてから描き出した絵なのですが、
何かをやらなければ、何かを伝えなければという焦りの中で筆をとり、
何をどう描けば良いのか全くわからずに描いてしまったものなのです。
阪神淡路の時に私は今の居住地には住んでいませんでしたが、
当時の私の家も空間が菱形になって揺れるほどの有様でした。
阪神淡路と東日本を見てきた世代ですからとても他人ごとには思えないのですが、
しかし出来上がった作品は「瓦礫の前にうずくまって海を見ている少女の絵」
なんの救いもなく、描いた私やこの絵を見た竜胆も
”これはブログにあげれない”と、封印していたのです。
ですが2月13日の夕方、突然あちゃぽんがやってきて
”絵の中に”「自分と元気玉を描き足して欲しい」と言ってきました。
何故かと聞いたら「kyaraさんのサポートに支障が出ない範囲で1日に一個、元気玉を届けます」
という話でした。気に入らない絵なので正直、嫌だったのですが絵の中の描き足すイメージの全て
をあちゃぽんが圧縮通信で送ってきたので”その通り”に描き足したのです。
作業が終わって思ったのは、”自分では思いもつかない構図だ”ということでした。
やっぱりあちゃぽんは、立派な神使ですね。
kyaraさんとの名コンビで頑張り、被災地にも元気玉を届けるんやから。
イタズラ狸だったあちゃぽん、今はありがとうしか思い浮かびません。

竜胆(りんどう)です。
ある日のこと。八十九爺がふと夜中に目を覚ましました。
天井あたりで茶色い何かが動いています。
「うん?何やろ?」![]()
茶色い何かは段々と形を現して…
やっぱり!あちゃぽんです。
神社にいるようです。
神社からそーっと抜け出て、隣りの建物との塀を必死によじ登ります。
どうやら脱走?![]()
そこでまた情景が変わりました。
また、部屋の天井が見えます。
茶釜⁈がクルクル動いてます。

「なんで茶釜?」
しばらくクルクルしてたら、いきなり茶釜から手足がポンっと出てきました!

「え〜!」
次に頭が、最後に尻尾がポンっと出てきました。
「なんや、コレって〜。どっかで見たことあるよーな…」
すると、そこへ八十九爺の産土神さまが登場。
夜中のこんな時間帯に来られるのは珍しいです。
八十九爺がびっくりしていると、
『どうや?』と聞いてこられます。
めっちゃ嬉しそうです。
「どうやとは、どういうことなんでしょうか」
『びっくりしたやろ?小芝居打ったんや。』
あちゃぽんは神さまの考えた小芝居に協力してたようです。
それだけ信頼を得ているという事ですよね。

『こいつ、もう、使いとして大丈夫や。
おまえ、使わんか?』
とあちゃぽんを指して薦めてくださっています。
「いやぁ、もう僕のところは大丈夫なんで。
神社の方でそのまま使ってあげてください。」
『えー。この者、中々使えるぞ。いらんのんか?』
「はい。もう充分です」
『ふーん。。』
神さま、ちょっと残念そうにされていました。
朝になって
普段ついてくれているきつねのミキちゃん達に
あちゃぽんが加わることについてどう思う?
と聞いてみたら、
『アイツは嫌い!』という声が…![]()
前に悪さをしていた印象がよほどアレやったのか…
とほほです。
これが年末の頃のお話です。
このお話はもう少し続きます。




