竜胆です。
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2023年6月の記事です。
囚われの龍 4
竜胆です。
『囚われの龍「左衛門」』の続きになります。
前回のお話
いつものことですが、
私自身は視えたり聞こえたりしません。
同時通訳のようにして聞いたお話です。
ある日のことです。
八十九爺の産土神さまが鎖に繋がれドロドロになった左衛門を連れてこられ、
とおっしゃいました。
左衛門が自分のことを語り出しました。
過去に人間の女性との関わりがあった。
自分が期待していたような答えが帰ってこなかった。だからその女の魂を食ってやった。
その女はそこから後の人生、何もわからずに虚(うろ)になっていた。
自分が信じていたのに裏切ったんやから当然やと思っていた。
だけど、それを知った坊さんがわしをあそこに釘付けにした。
やったことが、自分でも後で何となくあかんかったと思ったから龍神として頑張った。
なのに、ずっと繋がれたままやった。
繋がれていたんやけど、龍神としてたくさんの人を助けた。

釘付けにされてるのにどうやって助けるの?

自分の分身を飛ばすことはできる。
自分の眷属も持っている。

え〜!左衛門、眷属も持ってんの?
神さまが横から
そやねん。こいつな、眷属持てるほどの龍やのにな、
あかんねん。
心があかんねん。
とおっしゃっています。

俺が釘を抜いた時にな、気持ちとしては
どんな感じやったん?
今まで、色んな人を助けてきたし、当然やと思ってた。
釘を抜いてくれたんやから、そのお返しにお前に何かやってやろうと思ったのに、断ってくるなんて
「なんや、こいつ!」と思った。
龍と人間の関係で言ったら本来は対等やのに、俺は上から見てた。
龍神としてそんなふうに見てた。
そやけど、本来その人間の社会の中におって、人間を助けて、その結果、敬われるべき存在やのに、自分のことを粗略に扱うような人間やと思ったらああいうことをやってしまう、
そのことについては謝らないとあかんというふうに思った。

そうなんや…
神さまが
こいつ、いるか?
と聞かれました

いえ、いりません。
ううむ。そうなんか?
続きます。。
こいつ、お前になんか言いたいことがあるらしいで。聞いたって