竜胆です。
得体の知れない恐ろしいモノ ー鬼ー
前回、『鬼』の語源を少し探ってみました。
目に見えない、得体の知れない恐ろしいモノが「鬼」。
その象徴的なものに疫病がありました。
現代でも目に見えずに伝染する疫病は厄介で恐ろしい存在ですもんね。私たちもコロナで思い知らされました。

「為朝の武威 痘鬼神を退く」というタイトルの浮世絵です。(月岡芳年「新形三十六怪撰」浮世絵シリーズの一つです)
強弓で知られる武将・源為朝が天然痘の悪神である痘鬼神(とうきじん)をその武威で追い払ったという伝承を描いたものです。
絵をよく見ると、赤いぶつぶつができた子ども(?)が背負われていますよね。鬼が連れ去ろうとしているのか、背負って鬼から逃げようとしているのか?わたしは連れ去ろうとしているように見えます。
目に見えず、広がっていく(伝染する)疫病はなす術もなく、治世者も含めて、「鬼の仕業」と考えざるを得なかったということのようです。あの藤原不比等の死因も天然痘だったようです。
時代が進むと、鬼の姿も多様化していくようです。図像化が進み鬼のイメージの原型とも言えるような姿が見られるようになります。
有名な「百鬼夜行絵巻」にはさまざまな姿かたちの鬼が描かれており、「妖怪?」と思えるような姿をしています。


じっくりと見てみると、なんだか味わいがあって楽しいなぁ。。かわいくもあります笑
室町から江戸時代に進み、能や狂言、歌舞伎、浄瑠璃などの演目に取り入れられるようになって「鬼」にはツノが生え、口が大きく耳まで裂けていたりする恐ろしい形相のものだというイメージが固定化していったようです。
今回はこの辺でおしまいにしたいと思います。
よかったらまたお付き合いください。






